クリスキット Chriskit Mark8D プリアンプ 整備済み完動品

クリスキット Chriskit Mark8D プリアンプ 整備済み完動品です。入手した動作品を再整備したものです。故桝谷英哉氏が企画販売を手掛けたクリスキット社のトランジスタプリアンプで、回路はJBLの著名トランジスタアンプに範をとった古典的でシンプルなものです。社名が示すとおりキットとして販売されました。会社は既に無く、新品の入手はできないことから市場を探すしかありません。製品は良質な部品を使用することで高音質を確保していました。NECのローノイズトランジスタ、理研の2%級1/2W抵抗、エルナーのオーディオ用コンデンサ、ガラスエポキシ基板など、コスト制約のあるメーカー製市販アンプでは中々採用されない部品です。Mark8Dは、フォノイコライザーを装備していたMark8の後継機種でフォノ回路を外し、ライン入力のみとしたプリアンプです。シャーシーを上下2つに分割し、左右チャンネルのプリント基板を上側と下側にそれぞれ配置して完全分離しています。結果として高SN比で透明な音質のプリアンプに仕上がっています。入手した個体は、製作者がこだわりのある方だったようで入出力ピンジャックは削り出し金メッキ製の高規格品に換装されていました。また入力端子に装備されている半固定抵抗は配線がパスされていました。整備にあたり、まずオリジナル通りに入力半固定抵抗を活かす形に配線を追加しました。また電源回路の平滑コンデンサをニチコンのオーディオ用Fine Goldに交換しました。やや冗長であった配線は取り回しと長さを調整しました。信号回路のエルナーのセラファイン電解コンデンサとトランジスタについては、オシロの出力波形確認とヒアリングの結果、問題ないと判断して無交換としました。クリスキットは塗装がやや弱いのが難点で、この個体も外装に傷みが出ていましたのでシャーシーを分解して再塗装を実施しました。現在完全動作を確認しています。このアンプには、いわゆるトーンコントロールは無く、低域を補うためのLOW BOOST回路が装備されています。120Hz付近にピークを設けて周辺周波数を山型に持ち上げる機能で、一般のトーンコントロールのように超低域まで上げっ放しにはしないタイプです。小型ブックシェルフ型スピーカーなどには非常に有効です。LOW BOOSTスイッチをON・OFFする際に小さなノイズが出ることがありますのでご了解ください。あとこのアンプの使用上の注意点としては、桝谷氏がREC OUT端子に録音機器が常に負荷として接続されることを嫌って、フロントパネルのTAPEボタンを押さないとREC OUT端子には出力されません。フラットアンプ基板には出力調整用の半固定抵抗が装備されており、現在出力最大にセットしています。接続するメインアンプにアッテネータが無く、Mark8Dのボリュームがあまり上げられない場合は、この半固定抵抗でプリアンプ出力を絞ってください。また5系統ある入力端子それぞれに半固定抵抗が装備されていますので入力毎の出力を同じレベルに合わせられる仕様になっています。現在は全ての入力が減衰なくストレートにフラットアンプに入るよう半固定抵抗は絞っていませんので必要に応じて調整されてください。桝谷氏によるとフォノイコライザーを外したことでMark8DはMark8より更にノイズが減ったと述べていました。音楽性が高くノイズの無い優秀なプリアンプだと思います。概ね美品ですが完全美品をお探しの方はご遠慮ください。出品内容は、本体と回路図の載った組立説明書のコピーです。ゆうパックおてがる版100サイズでの発送を予定しています。到着時に動作しない場合を除きノークレーム、ノーリターンとさせてください。