越中中世史の研究・室町・戦国時代/久保尚文/室町時代宗教社会史の考察/越中禅宗史の断片/越中一向一揆の形成過程/富山近郊史の諸問題

越中中世史の研究・室町・戦国時代/久保尚文/室町時代宗教社会史の考察/越中禅宗史の断片/越中一向一揆の形成過程/富山近郊史の諸問題

商品説明
越中中世史の研究・室町・戦国時代/久保尚文/室町時代宗教社会史の考察/越中禅宗史の断片/越中一向一揆の形成過程/富山近郊史の諸問題

昭和58年 499P＋索引 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

越中神保氏の諸問題
荘園史の特色
室町時代宗教社会史の考察
越中禅宗史の断片
越中一向一揆の形成過程
越中神保氏の諸問題
富山近郊史の諸問題


本書は越中中世史、ことに室町・戦国期の諸問題について、私がここ十年程の間に書き とめてきた論稿を集めたものである。ことに昭和五十五年に富山県史編纂室に入って以来、 関心を払ってきた越中神保氏についてのレポートを中心として編んである。 越中中世史についての関心は、富山県人を除けばきわめて低いと思われる。まず在地に 残存する中世文書は全く乏しく、また中央諸権門に伝えられた文書中にも概して少なく、 しかも散在性・断片性が顕著であって、具体的な歴史像を構築するには、まさに労多くし て益少なしの感があったからであろうと思う。

また、戦国期には越後勢や加賀勢等に蹂躙 されるばかりで、越中武将の権力構造等を検討することは土台無理だと考えられていたか らであろう。しかし私は、現在県史編纂事務に携わる関係上、何としても時間の彼方に埋もれている歴史事象を掘り起こさねばならない立場にある。それはきわめて困難な作業であり、しかも空中楼閣を築く感がないでもない。しかし、ともかくも史料をめぐって右往 左往しつつ暗中模策した結果が本書になったわけである。

本書に収載した諸論稿のうちで、公表済のものは次の六論文のみである。 白岩川流域諸荘園の一考察(『かんとりい』六号) 東大寺領高瀬荘と正長元年の徳政(『富山県高校教育研究会紀要』一七集) 大慈山吉祥寺について(『富山史壇』五八号)
雲門寺の成立と椎名氏(『かんとりい』二号) 越中時衆の歴史的位置について(『時衆研究』九〇号)遊行上人のみた越中永正の乱(『かんとりい』四号) 他は孔版でもって知己に御覧いただいてきたが、広く江湖の批判の眼を経てはいない、
いわば新稿に等しいものである。そのためであろうが、最近になって私は、私の研究姿勢がともすれば安易に流れがちであることを痛感せざるをえない。私は現在の職務を全うするためにも、諸賢の御叱正を浴びることが最も必要だと考えるようになった。浅学菲才を顧ず、敢えて本書を出版することにしたのは何よりもそのためである。生来の悪文のためもあって難渋されることと思うが、何とか私の心情を汲みとっていただければ幸いである。

- 本書を刊行するにあたり、学生時代以来いつに変らぬ暖かい御指導を賜っている恩師高瀬重雄・楠瀬勝両先生の学恩に深い感謝の意を捧げたい。また富山県史編纂に中世編専門委 員として御尽力いただいている熱田公・大山喬平・黒田俊雄・金龍静・棚橋光男・広瀬良 弘の諸先生方からうけた恩恵も多大である。さらに県史編纂に携わるようになって以来、私を暖かくささえていただいている橋本芳雄氏以下の歴代の県史編纂室長、および職員各位、ことに我が先学として燈台となっていただいている奥田淳爾氏に深謝したい。最後になったが、出版事情の悪いなか、はからずも本書刊行に御尽力いただくことになった桂書房の勝山敏一氏、また校正その他いろいろの御面倒をおかけした編集工房の田辺俊二・高 木えり子氏に厚くお礼を申し上げたい。
昭和五十八年二月二十七日 三十六才の誕生日に

お探しの方、お好きな 方いかがでしょうか。

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